かわかぜ

令和5年4月号

「佼成」3月号 ご法話を拝読して

不健康老化の原因は、肉体よりも精神にある

「まず人さま」という菩薩行が免疫力を高める

3月号のタイトルは《健康と元気は「心」から》と題し、「心」が健康に大きく影響していることをお示しくださいました。最初の小題「体と心は深くつながっている」では、心と体は深く繋がっていて、切っても切れない相即不離の関係にあり、ただ単に「体」だけ鍛えるのではなく、「心」に日々感動や感激などの刺激を与え、つねに活性化させて、心身両面から衰えにくく病気になりにくい体質をつくることが大切とお説きくださいました。

そして、安岡正篤師が「不健康や老化の原因は、肉体よりも精神にある」とし、「健康の三原則」を述べておられることを二つ目の小題として取り上げ、ご紹介くださいました。一つ目は「心中常に喜神を含むこと」で、いつも奥深く喜びをもち、目の前で起こる一つ一つの出来事を仏の説法を頂戴する気持ちでつねに悦びをもって受け入れること。二つ目が「心中絶えず感謝の念を含むこと」で「ありがたい」という感謝の言葉を口にするだけで、新鮮な感動をもたらしてくれること。そして、最後の三つめは「常に陰徳を志すこと」。これは人知れず善い行いをするだけにとどまらず、日々の暮らしのなかでふれあう人を思いやり、相手の利益や幸せを願う「まず人さま」の実践を心がけるというささやかな実践も陰徳の中に含まれると教えてくださいました。

故マザー・テレサ(※1)が、インドのコルカタで不衛生な環境下の中で死を待つ路上生活者を救済しても感染症にならず大病をしなかったこと。日本の光明皇后(※2)が、お風呂で千人の民の汚れを拭うという願を立て、千人目の人がハンセン病者の膿を口で吸い出すと、たちまち病人は光り輝く如来の姿に変わったという逸話がありますが、真に菩薩行に徹せられた方々は、免疫力が高く病気になりにくいのかもしれません。凡夫である私たちがそうした徳行を即座に実践することは出来ないにしても、会長先生がお示し下さる日常生活のなかで「まず人さま」の実践の習慣化が、免疫力ある身体へと導いてくれるものと信じます。喜びと感謝、たとえささやかであったとしても「まず人さま」という菩薩行の生活実践を心がけたいものです。

※1マザー・テレサ…1910年~1997年。カトリック教会の修道女。1979年ノーベル平和賞を受賞。
※2光明皇后…第45代聖武天皇の皇后(701年~760年)。仏教を深く信仰され、その慈悲の実践として奈良の興福寺内に「悲田院(貧しい人や孤児の救済)・施薬院(薬を栽培し、病人に施した)」を設置。

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