かわかぜ

令和5年3月号

佼成2月号 ご法話を拝読して

命のありようを自分のことと受け止めて、感謝と喜びで日々を送る

 

川崎教会長 渡邊浩志

今年2月号のタイトルは《「他人事」を「自分のこと」に》と題し、真に健康な人生をいかに生きるかをお示し頂きました。小題は《「慢心」や「おごり」に気づく》と、《真に健康な人生を》とあります。

最初の小題では、平安時代の歌人在原業平の「ついに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思わざりしを」(いつか死の道を通ると聞いていたけれど、自分のこととして、これほど間近に迫ってくるとは思いもしなかった)」との歌を引用され、お釈迦さまご自身もそのようであったことを有名なお釈迦さまの《三つのおごり》という教えからひもといてくださいました。

三つのおごりとは①「若さ」のおごり、②「健康」のおごり、③「生命」のおごりです。易しく言えば①「私は若い」、②「私は元気で健康である」、③「死ぬことを忘れて生きている」という思い込みを戒められたのです。お釈迦さまの真意は限りある命の不思議さ、有難さに早く気づき与えられた生を精一杯生きることが大切と教えてくださっているのです。

後段は、会長先生自ら五十代の頃、「レッツ・ゴーゴー歳」などと言って「元気な自分を誇る『おごり』があった」と反省されたうえで、年を取ってみると腰の痛みなどで体調がすぐれない経験から老病死を切実な自分の問題と受け止められようになってきたことを述懐されています。そして、経験を重ねると、人の悲しみや苦しみがよくわかり、人間が成長するとよく言われますが、会長先生はそれを仏に近づくことと受け止めておられます。

最後の結びでは

命のありようを自分のことと受け止めて、感謝と喜びで日々を送る(寿命の長短にかかわらず)ことが「真の健康な人生」であること。そしてそのことに早く気づくことの大切さを涅槃会という2月はかみしめたいと結ばれました。

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